岡先生は「教わり教え教えられ」で次のように話されています。
先日、平尾がコーディネーターの毎日新聞のコーチングセミナーで、日本のラグビーの現状として、彼は「戦略という雛形に頼りきっていることが弱点。刻々と変わる状況に対応するために、選手にものの見方や思考の工夫を身につけさせることこそコーチングである」と言っています。
ものの見方、それはラグビーをしている時だけに付くものでなく、日常の生活、学校生活、そして家庭での生活、グラウンド以外の生活の中で、ものごとをどのように感じ、そして考え、自分で判断して行動するかが大切なのです。ラグビーの中で一つのことに対する見方でも、こちらの角度から見たらこうじゃないかと少し考える姿勢が必要です。何かがあった時に、これはこういう見方もできるのだよとコーチングすることで、ものの見方を啓蒙をすることが必要だと、平尾は言っているのだと思います。そしてやる気を高め、自主性を引き出す助言の方法が大切です。
戦略という決め事に従い、自分の直感や判断を放棄している選手が多いと感じています。刻々と変わる状況では、変化に対応してするべきプレーが戦略と違うものであれば、迷わず、自分の判断を行動に移すべきなのです。
バックスのディフェンスの仕方に、ディフェンスラインが凸凹にならないように、全員が揃って飛び出すと決めていても、内側の選手が飛び出さなかったら、凸凹になっても外側の選手が飛び出すのがチームの戦略にあったプレイなのです。
決め事の重要度が違います。まず、ラグビーの本質的なものとして「前に向かっている選手の多い方が有利」という不文律のようなものがあります。
ディフェンスラインは全力で前に向かって飛び出し、一歩でも前でタックルする事が最優先されます。それが前提にあって、ディフェンスラインは横一列に揃って出た方が突破されにくい、という事実があります。横一線にすることに意識が行き、最も出遅れた選手に合わせるのであれば、もうこれはこの時点で突破されたと同じことです。
例えば、スクラムで私がアウトサイドセンターの時、私の飛び出しの速さは内側のスタンドオフ、インサイドセンターより早く真っ直ぐ前に飛び出していました。外側のセンターの方がスクラムからボールが出るのが見えやすかったからです。私が少し早く飛び出しても、内側の選手が同じように真っ直ぐ前に飛び出せば、凸凹であってもそんなに簡単に突破されません。
相手のバックスの選手は私の早い飛び出しに、いつもよりはスタートを遅らし、タックルされるポイントを後ろにずらすようにするので、タックルポイントを相手側に押し込んだことになります。
時折、内側の二人の選手が早く真っ直ぐ飛び出す時があります。その時には私は後ろに向かって走る時が多くありました。その時の内側の選手、スタンドオフは小藪、センターは石塚、いずれも高校時代から有名な選手です。その二人が綺麗に揃って早いスタートをしたら、相手はほとんどの場合、ボールを後ろに回すのをやめて、キックをしてくることが予測できたからです。
また関西リーグの天理大戦で天理に攻められ続けたラックでアウトサイドセンターの位置にいた私は、ラックサイドを突破されると思い、自分のポジションを離れ、ラックサイドに走り込みタックルをしてトライを防ぎました。
相手選手がボールを受けた瞬間にタックルに入ったので誰がタックルしたのかほとんどの人わからなかったようです。でも岡先生だけはタックルしたのが私だと見てくれていました。
この時の詳細はこちらから
ラグビーは試合に勝つために、戦略や戦術、いろいろな決め事を作ります。これは当然必要なことですが、変化が常態のラグビーでは、変化に対応した直感的な判断が必要になります。
変化には主体的思考で柔軟に対応する事が必要です。これは日常生活やビジネスでも同じ事です。
次はビジネスにどのように影響したかを書いてみます。
3年生の時の天理戦の写真です。
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