2024-09-20

コーチングには言葉の統一が重要、「主体的」を選んだ理由

 無口で、字が汚く、人前で話すことが苦手な私は、ラグビーとマーケティング以外の語彙がほとんど頭に浮かびませんでした。結構早い時期にパソコンを使う様になり、また同志社の夏合宿で岡先生に適切な言葉の選択と統一が重要であることを教えてもらいました。


 同志社大学が林、大八木、平尾などがいて強かった時、夏合宿にフォワード のコーチとしてニュージーランドのカンタベリー大学のホックリーさんを呼んで、初めてモールの技術を導入しました。ホックリーさんはカンタベリー大学が日本に遠征した時のキャプテンで、全同志社で対戦し、また私が大学2年生の終わりの春休みに全同志社でニュージーランドに遠征した時に、いろいろ世話をしてくれた人でした。

 そのホックリーさんが初めて同志社に(おそらく日本でも初めて)モールの技術を教えてくれました。
 岡先生はフォワードの古いOBに練習中に声を上げて指導することを禁止したことがあります。多くのOBがモールに「突っ込め」と言う表現で、選手に言っていたからです。
 当時はラックとモールの区別もできない時で、ほどんどのOBはモールのように立って組んで押すと言う意識がありませんでした。
 昔のルーズ(ラック)のように、寝転がるプレーが多い時に、「突っ込め」と言う様な言葉は「diving、飛び込め」と言う様なイメージになるからです。

 ホックリーさんが教えている「get in the moul,and walk」と言う、重要な「モールに入り、足を動かし、前に進むこと」の意識を全員に徹底させたかったとのことです。
 元々知っている語彙が少なかった私は、何かをする時、もっと的確な表現をしないとまずいのか、と感じて、それ以後、使う言葉を選ぶ様になりました。

 パソコンは私にとっては強力な武器になりました。字が汚いのは気にすることはなく、また文字の変更や構成を変えることも簡単で、使う単語も色々候補が出てきます。

 例えば、星名先生の「自分で考え、判断して、行動し、責任を持つ」と言う考え方を、どう言う言葉で表現するかを考えた時、「自発的、自主的、主体的」などの単語が浮かんできて、それぞれの意味を調べました。
自主的」は行動の取り方に重点が置かれ、人の助けもなく、独立して自分自身で行うこと。 
自発的」は行動のきっかけに重点が置かれ、自分の中から動機が生まれて、行動を起こすに至ること。
主体的」は、自分の意志で行動を開始するという意味(自発的)と、自分で独立して行動するという意味(自主的)の両方の意味があるとのこと。

 また、主体性と自主性の違いについても調べてみました。
 「主体性」は自分の考えや判断をもとにして実行するもので、自分の行動に対する責任が強調されている。
 「自主性」は他人から指示を受ける前に、自分で取るべき行動を率先して行う態度で、自分の行動に対する責任や行動選択の自由が含まれていない。

 岡先生の言葉で私が一番好きな言葉は「自分で考え、判断して、行動し、責任を持つ」ですが、この言葉を端的に表現するには「主体的」という表現が一番ふさわしいと感じました。 

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