星名先生の理論と岡先生の理論   71-80 (時系列)

星名理論と岡理論 71 戦略を主体的に実践 

 受動的思考からは戦略は生まれにくい

  星名理論と岡理論 70 受動的思考から主体的思考へ 12 の続きです。 こちらからご覧になれます。

 星名先生からは相手の出方に合わせるのではなく、自分の出方に相手に合わせさせる、主体的な思考でプレーをすることを教えていただきました。
星名先生一人
 岡先生からは主体的な戦術的プレーをどの様な順序で実践するのか戦略的な試合運びを教えていただきました。
 その中で感じたのは受動的思考からは戦略的な発想は生まれにくいと言うことです。

 相手の動きに合わせて自分の動きを決める受動的思考では、日大戦で実践したようなAアタックの発想は生まれてきません。
 日大戦で最も重要だったことは後半の20分までに、相手のフォワードを徹底的に疲労させる、と言うことでした。そのためにはフォワード周辺での戦いに終始することで意思統一し、その時間内に、どれだけ多くの自分達の意図したプレーの実践を完了させておくことが重要でした。

 Aアタックの時間内はフォワード周辺の戦いに終始するためには、バックスに回せばトライを取れる可能性がある場合でも、敢えてフォワードにボールを持たせるようにフォワード周辺に走り込むなど、相手ディフェンスの動きには関係なく、徹底的に主体的な戦略を実践しました。

 相手のディフェンスの動きに合わせてプレーをする受動的な思考の下ではなかなかこの様な発想になりません。
 私は外側に抜くのが得意なのですが、Aアタックの時間帯には、外側に抜けばトライになる可能性が想像できても、無理やり内側に抜いて、フォワードにもう一度ボールを戻し、フォワードの攻撃を続ける様にしました。

 私の狙いは後半の20分ぐらいまで、スクラムを10人で組み、更にフォワード周辺での攻防の時間を多くかけ、残りの20分で勝負をすると言うものでした。
 ラグビーは前後半40分ずつの80分間で勝負が決まります。後半の20分までに、相手フォワードが疲労するようなプレイを完了させておくことでした。前半はリードされていましたが、得点差はあまり気になりませんでした。10点差であれば、20分あれば、逆転できると思っていました。

 これほど戦略的に、また主体的にラグビーのゲームをして、ほぼイメージ通りに実践できたのは初めての事でした。
 以後私は戦略的な発想と主体的な行動を完了形にすることを意識する様になりました。




星名理論と岡理論 72 岡理論の戦略とPERTの類似性
 卒業直後に企業の研修でPERTの存在を知りました。岡先生のAアタックと似通っていると思い、興味を持ち、少し勉強しました。
岡先生 グランドの写真
 PERTとは、プロジェクトの工程管理の手法の一つで、各工程の依存関係を図示して所要期間を見積もったり、重要な工程を見極めたりする手法です。1950年代に米海軍で弾道ミサイル開発プロジェクトのために考案された手法とのことです。現在は大規模工事やコンピュータのプログラムの開発などに使われている様です。

 PERTでは各工程を「前の工程が終わらないと次の工程が始められない」という依存関係に従って矢印で繋いでいき、それぞれの工程には所要時間を記入していきます。

 私がラグビーの大学選手権の日大戦で「後半開始後、20分間までにAアタックでフォワード戦を中心に戦い、日大フォワードの体力を消耗させてしまっておく」完了形を意識して勝利してからは、全ての事に完了形を意識する様になりました。

 あれこれ色々考える前に、直感的に思いついたら、とりあえず、実行して、完了させておく、という非常に乱暴なものですが、ラグビーでは非常に役に立ちました。
 
 昔の古い歌、美空ひばりが歌っていた「柔(やわら)」の一節だったと思いますが、「口で言うより手の方が早い、バカを相手の時じゃない」と言うのがありますが、私の場合、思った瞬間に手だけではなく、体全体を動かしている、大馬鹿でした。

 大学4年生の時の関西大学リーグの天理戦での相手フォワードにタックルをした時も、本来私が立っている位置はラックからだいぶ離れていた場所でした。でも、相手のFWに勢いがあり、生きている選手の数が多かったので、私はすぐ自分のポジションを離れ、ラックに向かって走りました。
 ちょうどラックの近くまで来た時、相手のフォワードの選手にタックルする味方の選手がいなくなりましたが、相手の選手がボールを受けた瞬間にタックルに入ることができました。

 この時も私がラックの近くまで、既に走り込んでいた、と言う完了形であったからできたことで、ピンチになったらタックルに行こうという、未来形では相手の選手が受けた瞬間にタックルに入ることはできませんでした。
 




星名理論と岡理論 73 戦略の実践には主体的思考が不可欠

岡理論のPERT図

 星名先生から教えていただいた「極端に浅いアタックライン」はタックルポイントをアタックする側が決めると言う主体的な思考によるものです。

  そして主体的思考があったから岡先生のAアタック、Bアタックなどの戦略的なプレーが可能になり、さらに次のPERT図のような「戦略の順序とその時間配分」の実践が可能になってくるものです。

岡理論Pert図 3
 相手のフォワードを疲労させるために、相手フォワードの後ろにキックをして味方フォワードを前に走らせるのと、フォワード周辺へボールを集めて勝負するAアタックを実践するためにはバックスにボールが回ってきた時、相手のディフェンスの出方に合わせて動くのではなく、主体的に内側のフォワードに近い所に走り込むことが必要です。
 フォワードも事前にそのことを知っているので、それに対応した走りで無駄なくボールに絡むことが出来、攻撃を続けることで優位に戦い続けることができるものです。

  相手のディフェンスの出方に合わせる受動的思考では効果があまりありません。

 PERTでは各工程を「前の工程が終わらないと次の工程が始められない」という依存関係に従って矢印で繋いでいきます。
 そのため、「Aアタックでフォワード戦を中心に戦い、相手フォワードの体力を消耗させてしまっておく」完了形を意識しました。

 岡先生の指示は図の様なものでしたが、実際の日大との試合では、AアタックとBアタックの切り替えの時間は、状況判断で私に任されていたので、私は前半Aアタックを30分間続けてBアタックを10分で終え、後半はAアタックを10分間で日大のフォワードが疲労で動きが遅くなったので、リードされていたので10分ほどでCアタックに切り替え、逆転勝ちしました。




星名理論と岡理論 74 PERTは日常生活で使われています

主婦はパートの達人

 PERTの考え方は一般の生活でも無意識に取り込まれています。ラグビーに取り入れたのは初めてだと思いますが。

「主婦はパートの達人」と言われるそうです。パートと言っても、パートタイマーのパートではありません。PERT (Program Evaluation and Review Technique)は工程管理の手法のことで、短時間に料理を作り上げるには作業の全体像が頭の中に出来上がっており、取りかかる作業の依存関係とその順番がきっちりとわかっているからできるものです。

 下図がPERTのカレーライス作りの作業の依存関係ですが、ほとんどの主婦はこの依存関係を無意識に頭に入れて料理しています。

カレーPert 3

 上図を簡単に説明すると、ご飯を炊いて、盛る作業が合計71分で、この赤線がクリティカルパスと呼ばれ、最も重要な作業でこれがスタートするのが遅れると、カレーライスが出来上がる時間が遅れます。カレーを作る作業は60分でご飯が出来上がるまでにカレーが出来上がれば良いので、11分の余裕があると言うことです。

 最後にカレーをかける時間が1分ですのでカレーライスが食べ始められるのは最短で72分後です。

 ラグビーの試合に勝つためには、自分のチームの戦略的なプレーを試合時間80分間の中で、多く実践できた方が試合に勝てる確率が高くなります。これはプロジェクト管理の発想そのものです。

 ラグビーの本質は地域を取り合うゲームです。前に走っている選手の多い方が有利です。

 ラグビーはボールを前にパスすることはできないので、FWはボールを獲得し、それがバックスにパスをされて回った時点ではオフサイドの位置にいることになり、ボールが自分たちの前に移動するまで、実質的にはプレーに参加できないからです。

 戦略的なプレーとは何かというと、FW戦を有利に戦うプレー、FWを前に走らせる場面を多く作る、もっと具体的な表現をすれば、ゲインライン(敵と味方の分断線、スクラムで言えば双方の最前線の選手の肩のライン)を突破すると言うことです。

 そしてその戦略的プレー(FWを前に走らせる)は試合時間80分間のできるだけ前の時間帯から多用し、FWが前に走っている時間を、相手より長時間にするということです。
 これが岡先生が私に指示した前回の記事に書いたAアタックです


星名理論と岡理論 75 主体的思考と戦略的な実践と長期的な視野
長期的視野での選手育成

 星名先生に教えていただいたのは、相手の動きに自分が合わせるのではなく、自分の動きに相手に合わせさせると言う主体的な考え方でした。
 岡先生から教わったのは主体的思考による戦略的な実践の仕方でした。岡先生に教えていただいたのは、もう一つ、長期的な視野での選手育成でした。

 これは大学ラグビーの特徴ではないかと思います。大学ラグビーは通常4年で卒業して、毎年新人を迎え、新しいメンバーでの選手構成が必要になります。選手の育成の期間は4年間しかありません。
 しかし、岡先生は選手の卒業後のことも考えて、ポジションの変更などを行っていました。

 私が2年生の時、星名先生が天動説の時代の地動説のような、全く真逆な考え方の極端に浅いアタックラインを同志社に導入された時、岡先生は私の外側のセンターに私と同期のFW(フォワード)の石塚を起用しました。
 石塚は1年生の時からFWのナンバー8(スクラムの最後列)で試合に出ていて、すごいFWの選手が半分の4人も卒業したその年の中心選手でした。その頃は試合には怪我人が出ても、交代は認められなかったので、この時はFWに優秀な選手が多く、FWの選手をバックスで使い、最強のメンバー15人で戦うとのことでした。
 
 日大に10人FWで勝利した時にはバックスに 二人のFWの選手がいました。第一列の西村(ウイングで起用)とナンバーエイトの石塚です。

 石塚は、同志社が日本選手権で優勝した時のキャプテンで日本代表のキャプテンも務めた、レジェンドの一人の石塚先輩の弟で、体も大きく、足も早く、パスもうまい、すごい選手でした。
 でも、私の動きは、常識はずれで、無茶苦茶なので、予測ができず、私の動きに合わせるのは大変だったみたいです。
 石塚が私の動きに慣れた4年生の春のシーズンに、今度は石塚をフォワードに戻し、2年生のフォワードのフッカー(スクラムの真ん中の選手)の黒坂を私の横のセンターにしました。黒坂は後に日本代表のフッカーにもなった、素晴らしい身体能力を持った選手です。

 これには私もびっくりして岡先生に文句を言いました。「石塚が私の動きにやっと慣れてきたのに、何故、黒坂なのか?石塚をフォワードに戻すのであれば、その後は黒坂と他のバックスの選手と競争させて、勝った方にしたほうが良いのでは?」「黒坂は将来日本代表になれる選手だ。しかし、それだけではなくて、もっとすごい選手になってほしい。そのためにはバックスのプレーも経験させたい。お前の横で、お前の走りについて行き、お前のパスを受けさせたい。来年はお前は卒業していない。今年しかお前と一緒にプレーができない。今ではないといけないんだ

 と言うことで、春のシーズンは黒坂とコンビを組むことになりました。
 岡先生には80分間のラグビーの試合での戦略の順序と時間配分だけではなく、長期を見据えた選手育成には、今、何をしておかなければならないのかを考える事を教えてもらいました。



星名理論と岡理論 76 私がこのブログを始めた理由

 私がFC2でブログを始めたのは、コロナ禍で引きこもりが続き、いつ死ぬかわからないと思い、星名先生と岡先生のラグビー理論の素晴らしさを誰でもが読めるように残しておきたかったからです。

 高校、大学とラグビーばかり考えていた私は卒業してから社会人の強豪チームでラグビーをしませんでした。マーケティングに興味を持った私の後押しをしてくれたのは星名先生でした。
 その時、ラグビーの先輩から言われたことは今でもはっきりと心に残っています。
 
 「お前は今の同志社で星名理論を実践できているただ一人選手ではないか。そのお前がラグビーを止めることを星名先生が後押ししてくれようとしている。その星名先生の気持ちを考えると、お前は星名先生の後押しは断り、ラグビーを続けて、星名理論を啓蒙をするべき役割があるのではないのか」

 「星名理論は京大でも実践しているし、日本代表でも似たようなプレーはしています。そのうち他のチームでもするようになってくると思います。私はラグビーをしだすと夢中になり、他のことが考えられなくなります。今はマーケティングの仕事をしたいので、せっかく星名先生が道をつけてくださったので、これを生涯の仕事にしたいと思います」と言って、マーケティングを生涯学習のテーマとすることにしました。 

 無口で、字が下手で、表現能力に欠けた私は、当時は星名先生や岡先生の理論を伝える能力がありませんでした。パソコンを使いマーケティング戦略を自分で書くようになってから、少しまともな文章が書ける様になりました。
 
 今はブログで一人でも多くの方に星名先生と岡先生のラグビー理論の凄さを知ってもらいたいと思っています。
 最近になって少し興味を持っていただく様になった様です。

岡理論Pert図 3
 同じFC2のラグビージャンルのRugbynogbyさんのブログ「Be Rugby! Be Glutton!」が私のPERTに関する記事を過分に評価していただいた記事を書いておられます。
 
 以下がそのブログの記事の一部分です。 
 そこでPERTの「前の工程が終わらないと次の工程が始められない」という依存関係と、同時並行して実施する別個のポジションのトレーニングを管理する機能が有効であると考えたのです。
もちろん、いつまでたってもボールを真っ直ぐ放れないスロワーを何ヶ月も待つわけにはいきません。
しかし、その工程で各ポジションの取得すべきファンダメンタルの締め切りを提示することは、そこに集中する効果が出てくると思うのです。

 この辺りの発想は現役のコーチだから出てくる素晴らしいものだと思います。
 新しい発想をうまく活かしてほしいと願っています。
 「Be Rugby! Be Glutton!」はこちらからご覧になれます。



星名理論と岡理論 77 岡先生のコーチング理論
 大学を卒業して社会人の強豪チームでラグビーをしなかった私に岡先生は「夏合宿だけはコーチに来る様に」と言われました。東京に出た私は約20年ほどは毎夏、2週間ほどの夏休みをとり、同志社大学の夏合宿に参加し、大学選手権で同志社が上京したときは、宿舎のホテルに同宿しました。

 東京では港区に住んでいたので、岡先生が上京した折は、私の家に泊まられることが多くありました。独身時代が長かったので、気楽なのと、港区で秩父宮ラグビー場には近かったので便利だったのと、私とラグビーの話をするのが面白かったのかもしれません。
 「私が岡先生のラグビーに対する考え方を一番わかっている」と当時は自負していました。

  岡先生のラグビーに対する考え方は講演録の「教わり、教え、教えられ」を読んで貰えば、わかると思います。青色の部分をクリックすればみられます。
 岡先生がこの講演録の中で、私のことについて話されているのを知ったのは、岡先生が永眠されてしばらくしてからでした。
 多分時期的には岡先生の最後の講演ではと思われる中で、星名先生のことについて話されているのは当然ですが、私のことについても話されているのは、驚きでした。

 マーケティングの仕事を選ぼうとした時、「お前は今の同志社で星名理論を実践できているただ一人選手ではないか。そのお前がラグビーを止めることを星名先生が後押ししてくれようとしている。その星名先生の気持ちを考えると、お前は星名先生の後押しは断り、ラグビーを続けて、星名理論を啓蒙をするべき役割があるのではないのか」と言ってくれた先輩の言葉を思い出しました。

 コロナ禍で生活が一変しました。シッチェスの我が家の隣の棟でお年寄りがコロナに感染し、救急車で運ばれて行きました。死者も出ている様です。引きこもりの生活が続きました。
 私自身は引きこもりは苦にならないのですが、毎日家にいてパソコンを触っているのであれば、星名先生と岡先生の理論を誰でもが、いつでも読めるように、ブログに残しておくことを思いつきました。

 色々な角度から、星名先生と岡先生のラグビー理論を書いてみようかと思っています。

「教わり、教え、教えられ」より抜粋
自分で考え、責任を持つ
岡理論、1基本とは何か




星名理論と岡理論 78 キーワードの選択について

 無口で、字が汚く、人前で話すことが苦手な私は、ラグビーとマーケティング以外の語彙がほとんど頭に浮かびませんでした。結構早い時期にパソコンを使う様になり、また岡先生に言葉の選択を教えてもらいました。

 同志社大学が林、大八木、平尾などで強かった時、夏合宿にFW のコーチとしてニュージーランドのカンタベリー大学のホックリーさんを呼んで、初めてモールの技術を導入しました。ホックリーさんはカンタベリー大学が日本に遠征した時のキャプテンで、全同志社で対戦し、また私が大学2年生の終わりの春休みに全同志社でニュージーランドに遠征した時に、いろいろ世話をしてくれた人でした。

 そのホックリーさんが初めて同志社に(おそらく日本でも初めて)モールの技術を教えてくれました。

 岡先生はFWの古いOBに練習中に声を上げて指導することを禁止したことがあります。多くのOBがモールに「突っ込め」と言う表現で、選手に言っていたからです。

 当時はラックとモールの区別もできない時で、ほどんどのOBはモールのように立って組んで押すと言う意識がありませんでした。

 昔のルーズ(ラック)のように、寝転がるプレーが多い時に、「突っ込め」と言う様な言葉は「diving、飛び込め」と言う様なイメージになるからです。

 ホックリーさんが教えている「get in the moul,and walk」と言う、重要な「モールに入り、足を動かし、前に進むこと」の意識を全員に徹底させたかったとのことです。

 元々知っている語彙が少なかった私は、もっと的確な表現をしないとまずいのか、と感じて、それ以後、使う言葉を選ぶ様になりました。

 パソコンは私にとっては強力な武器になりました。字が汚いのは気にすることはなく、また変更や構成を変えることも簡単で、使う単語も色々候補が出てきます。

 例えば、星名先生の「タックルポイントはディフェンス側が決めると思い込んでいたのを、アタックする側(自分)が決めることもできる」と言う考え方を、どう言う言葉で表現するかを考えた時、「自発的、自主的、主体的」などの単語が浮かんできて、それぞれの意味を調べました。

 「自主的」はやり方・行動のとり方に重きが置かれます。人から助けてもらうことなく、独立・自立して自分で行うさまを指します。

 一方「自発的」は理由・行動のきっかけに重きが置かれます。他人は関係なく自分の中からモチベーションが生まれて、行動するに至ったという意味合いです。

 例えば、友達から言われて筋トレを始め、筋トレ方法は自分で調べて一人で実行する場合、自主的ですが自発的ではありません。逆に、自分の意志で筋トレを始めたが、一人ではできずトレーナーに手伝ってもらう場合は、自発的ですが自主的ではありません。

主体的」は、自分の意志で行動するという意味(自発的)と自分で独立して行動する(自主的)の両方の意味があります。

 その結果、星名先生の理論を主体的思考として書くことにしました。 

以後は、タイトルや見出し、キーワードになる様な言葉には、結構注意して、使う様になりました。

岡先生、田辺カントリー 3人
岡先生と奥様とお嬢さん


星名理論と岡理論 79 主体的思考とそれを主張し発信することが重要
 星名先生に教えていただいたラグビーのルールを正しく理解すれば、「相手のディフェンスの出方に合わせて、自分のアタックの出方を合わせるのではなく、自分のアタックの出方に相手のディフェンスの出方を合わせさせることができる」と言う、主体的思考は私の生き方にまで影響を与えた様です。

 日本に住んでいて、働いていた時には、仕事の周辺にしか思いが至りませんでした。
 毎日、新聞とテレビで情報を取得し、仕事に夢中になり会社とラグビーの友人達としか話をしない私は、政治や社会情勢には無頓着でした。
 でも、スペインに来る前、17年以上前の日本は今ほどひどいとは思ってはいませんでした。
 60歳近くにスペインに移住し、日本の情報はインターネットでしか入らなくなりました。情報環境はどんどん良くなり、インターネットも高速で、パソコンや携帯電話の処理能力も上がり、今では非常に快適な通信環境のもとで生活しています。

 シッチェスでもラグビーを再開し、仕事はしていませんが、日本と同じような生活をしていました。GAFAの一つの日本支社に働いていたこともあり、英語は少しできましたが、スペイン語は全く接触したことがなかったので、勉強を始めました。
 でも無口な性格は治るわけではなく、ラグビーとルディのおかげで、この街、シッチェスで生まれ育ったかのように、多くの友人達に囲まれ、楽しくやっていました。

 自分の考えを主張した方が良いのかと思うきっかけを作ってくれたのは、岡先生の講演録「教わり、教え、教えられ」を読んだ時でした。 
 岡先生が講演会で星名先生のことを話され、その中で、私のことも話されたことを知り、マーケティングの仕事を選ぼうとした時、「お前は今の同志社で星名理論を実践できているただ一人選手ではないか。そのお前がラグビーを止めることを星名先生が後押ししてくれようとしている。その星名先生の気持ちを考えると、お前は星名先生の後押しは断り、ラグビーを続けて、星名理論を啓蒙をするべき役割があるのではないのか」と言ってくれた先輩の言葉を思い出しました。

 ちょうどその頃、OB会から同志社大学のそのシーズンのDVDを沢山送って頂き、観戦記を書くことになり、星名先生のラグビー理論をまとめて観戦記を書きました。

 そしてコロナ禍となり、引きこもりが続き、いつ死ぬかわからない様な状況になり、星名先生、岡先生の理論を誰でもが読めるようにブログに残そうと思って、色々過去の事を書いている内に自分が、どれほど星名先生と岡先生に影響されていたか、改めて知ることになりました。

 星名先生のおかげで主体的思考を持つ様になり、また岡先生のおかげで、戦略的な実践と長期的な視野を持って活動することを知った私は、もう一つ、重要な事、主張し、行動することが必要だと思います。

 スペインでインターネットで日本の情報に接すると日本の劣化がはっきりと見えてしまいます。自分の感じたことを主張し、発信することが重要だと感じました。
 多くの人が主張し、発信する様になれば、日本も少し変わるきっかけが起きるかも知れません。

 文中の青い部分をクリックすると見ることができます。

 最近気に入っているお二人の言葉です。
 岡先生の「教わり、教え、教えられ」より 
自分で考え、責任を持つ

山崎、ツイート小




星名理論と岡理論 80 星名理論と岡理論のホームページ
 星名理論と岡理論のホームページを作成しています。

 ラグビーをする輩は私と同様で、大雑把でいい加減です、もう少し良い表現をすれば、寛容で小さなことにはこだわらない、とも言えると思います。

 ブログを作成したのですが、ラグビー関係者はほとんど見ていないのではと思います。私もそうですが、自分でブログを開設するまで、あまり友人のブログも見ることがありませんでした。
 このブログも見にきている方の多くはペットや海外情報などのブログを書いている方で、ラグビーのブログからはほとんどありません。
 ラグビーの記事だけ書くわけにはいかないので犬のことやシッチェスでの生活も書いています。

 ラグビー関係者にはラグビーの記事だけのブログをGoogleが運営しているブログにホームページの様な作りで開設しています。こちらはシッチェスの友人達にも読んでもらえるように、翻訳機能がついており、全ての国の人に、その国の言語で読める様になっています。

 ラグビーだけの記事が読みたい方はこちらの方も読んでいただければと思います。
 右欄の、リンクの星名理論と岡理論(ホームページ)から見ることができます。

このブログのコンセプトは以下の通りです。

 星名秦先生、岡仁詩先生。半世紀前にはラグビー関係者であれば、彼らは皆が知っていたラグビー界のレジェンドです。このお二人のラグビー理論は一般常識の正反対のものでした。

 ラグビーはボールを持っている選手にはデイフェンス側の選手はタックルをすることができます。
 タックルする場所(タックルポイント)はタックルする選手の側が決めるのが当たり前だと考えるのが当然です。星名先生はタックルされる場所はアタックする側が決めることができることを教えてくれました。

 想定されるタックルポイントにボールを持っていない時に走り込めば、デイフェンス側はそのまま走れば、アタックの選手にぶつかります。ボールを持っていない選手にタックルすれば、ノーボールタックルという反則になってしまいます。
 
 そのため、タックルポイントの少し手前で立ち止まり、アタックの選手がボールを受け取るのを待たなければなりません。
 立ち止まって待っている選手と、助走をつけて走り込んでいる私では、私の方が遥かに有利になります。
 要は、そのような「自分に有利な環境を主体的に作り出せば良い」と言うことです。

 ラグビーのプレーの前提となっているような一般的な常識。
 誰もが、これは変えようもない前提だと、思い込んでいるようなことまで疑って、180度正反対の考え方でプレーをすることを教えていただきました。

 天動説を信じている時代に、地動説を初めて聞いたようなものだと感じました。以後の私は、常識などに全くとらわれず、自分の本能や直感と言った、常識はずれのプレーばかりするようになってしまいました。
 そしてラグビーだけには留まらず、ビジネスでも、よく言えば、非常に柔軟、自由な発想で普通の人では思いもつかないようなことばかりしていました。

 日本のラグビー界のレジェンドの一人、日本代表の監督でもあった平尾誠二も星名先生、岡先生の影響を受けていたようです。
 「常識に縛られるより、状況に応じて柔軟にプレーすることが大事」と言っています。
 平尾の記事はこちらから

 コロナ禍で、いつ死ぬかもわからない今、星名秦先生、岡仁詩先生のラグビー理論を世界中の人が見れるように残したいと思い、世界中の言語に翻訳する機能を持っているBloggerに書くことにしました。

 多くの国の人に、ラグビーの素晴らしさ、星名先生と岡先生のラグビー理論を知ってもらえれば幸いです。岡先生、星名先生 まり子さん

星名先生、岡先生、岡先生のお嬢さん、

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