夜食を出さない会議をボイコット
私には大きな弱点があります。腹が減った時と怒って頭に血が上った時は、思考能力がなくなることです。これは今でも治っていません。
この会社に入社して1年ほど経った時、役員総出の特別プロジェクトがあり、私が担当になりました。私以外は全員、部長か取締役です。緊急のプロジェクトだったので、夜7時から会議が始まりました。
私は当然他の仕事もやっているので7時まで忙しく働いていました。会議は11時ごろまで続いたのですが、夜食が出てきません。もう思考力のなくなった私は「夜食をとりませんか」と言ったのですが、誰も反応しません。
次の日にまた7時から会議だと言うので、部長に夜食が出るのか聞いたら、出ないと答えました。なぜ出ないのか聞いたら、「皆辛抱しているのに、なぜ君は辛抱できないのか?」「私一人が腹減っているのではなく、全員が食べる時間がなく、腹が減っているのであれば、食事を食べながら、会議をすれば良いではないですか」「腹が減っていても会議はできる」「私は腹が減ったら思考が停止して仕事はできません。出席しても意味が無いので、帰らしてもらいます」と言って、会議をボイコットしました。
翌日、私が唯一信頼している、他の営業部長に会議の様子を聞いたら、「実際に動く担当がいないので11時まで会議はしたが、何も決まらず、夜食を出すかどうか、話し合って、次から夜食を出すことになった。お前のおかげで次から夜食が出る」と言って笑っていました。
この会社の役員は与えられた環境を変えようと考える事もしない人たちばかりのようです。ビジネスの世界でも環境はどんどん変わってきます。その環境に合わせて、働き方も変えるのが当然です。
星名先生と岡先生に教えてもらったことは「戦う環境をチームに有利な状況に作ること」です。重要なのはルールで常識やしきたりではありません。
接待は相手が官庁でなければ認められている行為です。この業界が接待が受注するための重要な仕事なら、私は徹底的にやります。
ある時、経理部長と話をしました。彼は私の数少ない理解者の一人です。「お前の課の領収書はすぐわかる。他の課とは桁が違う。他の課の領収書は近所の安い店のが多い。多分仲間内で飲み食いして接待費として落としているのだろう。お前の課は、近所の安い領収書が一枚もない。
接待費の低率課税は資本金額により額が違い、一定額を過ぎると課税率が高率になる。我が社では接待費は低率課税の枠を各課に配分している。お前の課の超過分は高率の課税額をプラスして原価として計算しておくので、気にせずに接待しろ。社長からは浦野には好きにさせろと言われている」
この時、初めて社長が陰で色々助けてくれている事を知りました。
イチジクのワイン煮
スペインは豊富な食材が安く手に入ります。腹が減って思考が停止することはあまりありません。
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