無口で、字が汚く、人前で話すことが苦手な私は、ラグビーとマーケティング以外の語彙がほとんど頭に浮かびませんでした。結構早い時期にパソコンを使う様になり、また岡先生に言葉の選択を教えてもらいました。
同志社大学が林、大八木、平尾などで強かった時、夏合宿にFW のコーチとしてニュージーランドのカンタベリー大学のホックリーさんを呼んで、初めてモールの技術を導入しました。ホックリーさんはカンタベリー大学が日本に遠征した時のキャプテンで、全同志社で対戦し、また私が大学2年生の終わりの春休みに全同志社でニュージーランドに遠征した時に、いろいろ世話をしてくれた人でした。
そのホックリーさんが初めて同志社に(おそらく日本でも初めて)モールの技術を教えてくれました。
岡先生はFWの古いOBに練習中に声を上げて指導することを禁止したことがあります。多くのOBがモールに「突っ込め」と言う表現で、選手に言っていたからです。
当時はラックとモールの区別もできない時で、ほどんどのOBはモールのように立って組んで押すと言う意識がありませんでした。
昔のルーズ(ラック)のように、寝転がるプレーが多い時に、「突っ込め」と言う様な言葉は「diving、飛び込め」と言う様なイメージになるからです。
ホックリーさんが教えている「get in the moul,and walk」と言う、重要な「モールに入り、足を動かし、前に進むこと」の意識を全員に徹底させたかったとのことです。
元々知っている語彙が少なかった私は、もっと的確な表現をしないとまずいのか、と感じて、それ以後、使う言葉を選ぶ様になりました。
パソコンは私にとっては強力な武器になりました。字が汚いのは気にすることはなく、また変更や構成を変えることも簡単で、使う単語も色々候補が出てきます。
例えば、星名先生の「タックルポイントはディフェンス側が決めると思い込んでいたのを、アタックする側(自分)が決めることもできる」と言う考え方を、どう言う言葉で表現するかを考えた時、「自発的、自主的、主体的」などの単語が浮かんできて、それぞれの意味を調べました。
「自主的」はやり方・行動のとり方に重きが置かれます。人から助けてもらうことなく、独立・自立して自分で行うさまを指します。
一方「自発的」は理由・行動のきっかけに重きが置かれます。他人は関係なく自分の中からモチベーションが生まれて、行動するに至ったという意味合いです。
例えば、友達から言われて筋トレを始め、筋トレ方法は自分で調べて一人で実行する場合、自主的ですが自発的ではありません。逆に、自分の意志で筋トレを始めたが、一人ではできずトレーナーに手伝ってもらう場合は、自発的ですが自主的ではありません。
「主体的」は、自分の意志で行動するという意味(自発的)と自分で独立して行動する(自主的)の両方の意味があります。
その結果、星名先生の理論を主体的思考として書くことにしました。
以後は、タイトルや見出し、キーワードになる様な言葉には、結構注意して、使う様になりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿