星名秦(Hoshina)先生の理論について4回続いたので、次に岡仁詩(Oka)先生の理論について書きたいと思います。
岡先生のラグビーに対する考え方は岡先生講演録「教わり、教え、教えられ」が一番分かりやすい思います。しかし、ここには主にコーチングからの視点でもって話されているので、技術的な、ゲームの戦略的なことについては何も話されていません。
岡先生の講演が記録されたのが2005年11月9日で、永眠されたのが2007年5月11日なので、この公演が最後だったのではと、推測しています。私が最後に先生にお会いしたのは、スペインに移住する前に京都で岡先生と先生の奥様と一緒にお茶を飲んだ時で、最後に日本に帰った時、もう10年以上前ですが、家にお邪魔して遺影にお会いすることになりました。
この講演録の中で、岡先生は私のことについても触れられています。
一つの形を基本のように思うと、その形が身につくように練習しなければいけないと考えます。それが束縛になって、自由な発想、創造、発展の可能性をなくします。
スポーツのコーチングで一番大切なのは、基本とは何かを分析する能力です。たとえば野球のバッティングフォーム、ラグビーのいろいろなパスプレー。それらを分析して最後に残ったものを基本として、そしてどのような方法で練習するのかだと思います。
繰り返しますが、形を基本だと間違えてとらえられているのは日本のスポーツの中には多かったように思います。
自主性を引き出すコーチング
同志社OBの平尾誠二にある時、「バックスのコーチは同志社のOBの中で誰がいいかな」と聞いたら、「浦野さんでしょう」と答えました。浦野は一九六八年卒業の同志社高校出身の選手です。それを聞いてなるほどと思いました。「鬼ごっこのうまいのがバックスの選手として一番いい」と言ったのは奇しくも浦野と平尾であり、二人とも名プレーヤーでした。
鬼ごっこは捕まらないように、体をかわす。そのための相手との間合いをとる、かわすタイミングがある、いろいろな走り方がある。鬼ごっこの中にラグビーに必要なランニングの要素があるわけです。
岡先生のラグビーの戦略などについて私の知っていることを書いてみます。
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