2022-08-21

ラグビーにおけるイメージトレーニング(シミュレーション)の重要性

  私は高校に入るまでスポーツは何もしていませんでした。同志社高校に入り、初めてラグビーボールに触り、練習にもついていけず、15人しかいない選手でただ一人のポジションも決めてもらえない補欠でした。その私が1964年3月に 日本選手権で社会人を破り優勝し、日本一になった同志社大学に4月に入学し、6月の最後の練習試合にはもう一軍に入れてもらうように急成長したのはイメージトレーニングにあると思います。

 同志社高校では、15人しか選手がいないので、練習では試合形式の練習は全くありませんでした。チームを8人と7人の左右に分け、そして向かい合ってアタックとディフェンスの練習をするだけでした。

 一応フルバックのポジションについたのですが、ほとんどプレーに参加することはなく、ただ近くで見ているだけでした。そして試合になると、15人必要なので、体を壊して練習をしていないマネージャーが試合に出ていました。

  フルバックのポジションはバックスの一番後ろですので、すぐ前でバックスの選手がプレーしています。そのプレーを見ながら、うまくいったプレーは、何故うまくいったのか?、うまくいかなかったのは何故か?など考えるようになりました。

 そして、将来自分がそのポジションをするようになったら、どうすべきか、いろいろ考えるようになりました。

 毎晩、寝る前にそれを30分ほど考えるのが習慣になりました。これは結果としてイメージトレーニングになったようです。当時はこのような言葉さえありませんでしたが。

  この時のイメージトレーニングは当然ですが、戦略、戦術、戦闘と分けると個人と個人の戦いで戦闘の部分のものでした。どのようなタイミングで、どのようなかわし方をしたら良いのか、そのタイミングなどをいろいろ変えながらシミュレーションをしていました。

  高校2年生になり、ウイングをするようになり、さらにセンターをするようになり、試合の流れの中で、どのような動きをして相手をかわすか、そしてディフェンスを突破した後に、どのようなコースを走れば良いのか、少し視野を広げた戦術に該当するようなイメージトレーニングに変わりました。

星名理論5月–-
 星名先生に教えていただいた上のアニメのような「極端に浅いアタックライン」のようなイメージを頭に描きながら、どのように相手を抜いて、その後の相手のフランカーやフルバックのカバーディフェンスの動きを予想して、どのコースを走ったら良いのか、いろいろな場面を想定し、シミュレーションを繰り返しました。

 星名先生の教えで一番起きな変化は、ディフェンスの出方に合わせて突破するそれ以前の考え方から、相手に対し、自分が突破する好ましい環境を、どのようにして作り出していくのか、主体的な思考になったことでした。

  大学3年生になり、岡先生からフォワード中心のAアタック、バックス中心のBアタックをどのような順序と時間配分で組み立てていくか、戦略の実施順序と時間配分を教えていただき、それのイメージトレーニングを繰り返しました。

 
 そしてこの戦略の実施順序と時間配分は卒業してからビジネスのプロジェクト管理の手法、PERT (Program Evaluation and Review Technique) に繋がっていくことになりました。

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