ラグビーにおける主体的思考とは 5 正の連鎖と相乗効果
前ページに赤字で書いた部分を説明します。
主体的思考で徹底された、15人の選手のプレーが生み出す相乗効果です。
ほとんどの選手が前に向かって走っている東京外語大の正の連鎖と、ほとんどの選手が後ろに向かって走っている東工大の選手の負の連鎖と、双方全員の相乗効果の差は、信じられないほど大きなものでした。
詳しくは星名理論と岡理論11 星名理論のディフェンスへの応用 に書いてあるのですが、当時デイフェンスラインは横一線に揃えて出るのが常識でしたが、私はあえて常識を無視し、直線的にまっすぐに想定できるタックルポイントへ全力で飛び出しました。これは私の主体的思考で自分の意思で出来るだけ前に走り込んだものです。
この結果私がタックルしたポイントは想定されるタックルラインよりはるかに前(相手のゴールラインに近く)でした。この私の無茶苦茶な飛び出しは相手にプレッシャーとなり、相手のアタックは通常より、前に出るのを抑える結果となりました。
その結果、私がタックルするポイントは青い丸印のあたりで、味方のフォワードは想定されたタックルラインよりさらに前に向かって走ることができます。相手のフォワードは全員(8人)、青い丸印のさらに後ろに帰り、それから私がタックルしたポイントに戻らなければなりません。味方のフォワード(8人)は、真っ直ぐに青い丸印のポイントのラックに勢いをつけて走り込むことができます。
東京外語大の選手は15人全員が私のような主体的な思考で前に向かって走るように意識が徹底されていました。
相乗効果(そうじょうこうか、シナジー、英: synergy)とは、ある要素が他の要素と合わさる事によって単体で得られる以上の結果を上げることです。15人の正の要素がそれぞれの要素と合わさることにより、相乗効果で単体で得られる以上の結果を上げることが起きているわけです。
相手の東工大のフォワードの選手8人は後ろに向かって大きく走ることになり、当然ラックに入る時間も遅くなります。このような負の要素が相乗効果により連鎖するようになります。
そしてラックでボールを取得した東京外語大はアタックでボールをまたキックして、全員で前に向かって走り、タックルに向かいます。前に書いたようなことが繰り返されて行われ、相乗効果はさらに大きなものとなっていきます。
このようなことが試合が始まって終わるまで続いたので、試合は東京外語大の圧勝となってしまいました。
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