ラグビーにおける主体的思考とは 7 正の連鎖と相乗効果を起こす為に 3
ディフェンスで飛び出して、相手陣の深い所で倒したとしても、アタックで自軍の深いところで倒されると、これでは五分五分で正の連鎖と相乗効果を起こすことはできません。
ディフェンスだと主体的思考になりやすく、アタックでは相手の出方に合わせる受動的思考になりがちです。常識的には相手のディフェンスの出方を見て、アタックの仕方を決めるのが普通です。 相手が飛び出してくるディフェンスであれば、少し前に出るのを控えるし、相手がゆっくりと出てくるディフェンスであれば、少し前に出て勝負するというのが、普通です。
星名先生はタックルポイントをアタックする側が決めるという、それまでの発想とは真逆の、天動説の時代に地動説を説くようなコペルニクス的転回といった理論を私たちに教えてくれました。これによりアタックにおいても主体的思考が可能になりました。
私が「極端に浅いアタックライン」と名付けたスタンドオフの横一線にセンター二人が並びスタンドオフより早くインサイドセンターがスタートするものです。
通常、それぞれの選手がボールを持って対面の選手がタックルする場所(タックルポイント)を繋いだ線、タックルラインが想定できます。これはほとんどの場合、アタックラインとディフェンスラインの中間地点です。図では一番下の点線が想定されるタックルラインです。
インサイドセンターがボールを持っていない時にはこのタックルラインに入るとディフェンスの対面の選手はボールを持っていないのでタックルすると反則になるので、立ち止まるしかありません。
まずインサイドセンター(赤の選手)はボールがスクラムから出る少し前に一人だけ前に走り出します。敵はまだボールがスクラムの中にあるので前には走れません。
次にスクラムからボールが出ると同時にスタンドオフが真っ直ぐ、ボールを受けに走り込みます。
相手のインサイドセンターはそのまま前に走ると対面のインサイドセンターにぶつかり、ノーボールタックルの反則となるので、少し手前で立ち止まって待ちます。
スタンドオフはそのまま前に走りタックルされる寸前に横に長いパスを送ります。インサイドセンターは相手が立ち止まった瞬間に、横へ大きく走り、走りながらボールをもらいます。
立ち止まっている相手のインサイドセンターより加速をつけて走り込んでいる選手の方が早いので相手はタックルをすることができません。
もし相手がタックルをできたとしても、ほとんどゲインライン近くなので味方のフォワードは後ろに向かって大きく走る必要はありません。もし突破すれば、全員が前に向かって走ることができます。
ラグビーは攻守にわたり、主体的思考で前に向かって走る選手の数を多くすることによって、初めて、正の連鎖と相乗効果を起こすことが可能になります。
明日はこの概念図をアニメのように動かしてみたいと思っています。
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