勝負には最も重要な「勝負どき、勝負どころ」とも言える、勝ち負けの決まる大事な場面・局面、時間帯があります。ラグビーでも当然あり、同じような戦力では、私は前後半、合計80分の中の、後半戦の最後の20分間だと思っています。
私が現役の頃と違い、選手交代も可能で、体力や戦力を勝負どころに温存するなど考えられませんが、ラグビーはフォワード戦に勝てなければ勝負にならないので、後半の最後の20分までに、「既に起こった未来(勝利する)」、すなわち、「フォワード戦を有利に戦える状況をを完了させておく」ことが重要だと思っています。
私は「勝負どころ」をどこに設定し、どのようにそこへ進めるか、いろいろシミュレーションを繰り返し、その経験をビジネスに活かしました。これは裁判にも生かすことができました。
私は今までに2回、本人訴訟という、弁護士をつけない裁判を経験しました。初めて訴訟を起こす時、知り合いの弁護士さんに相談したのですが、決定的な書証(書類などの証拠)がないので勝つのは難しいとのことでした。
それで弁護士をつけずに自分一人で裁判をすることにしたのですが、ラグビーの主体的思考がここでも生きてきて、「書証がなければ作れば良い」ということで、裁判を始める前に内容証明郵便を送り、お互いの主張を証拠として残すことにしました。相手側は弁護士をつけ、弁護士とのやりとりになりました。
相手は私が弁護士に頼まず、自分で内容証明郵便を送ってきたので、弁護士のなり手がいないので、裁判になることはないだろうと思い、私を侮辱するような内容証明郵便を送り返してきました。ある程度やりとりをして、私の主張を裏付けるものではあるのですが、決定的なものではありませんでした。
裁判を起こして、準備書面のやり取りを何度もしている内に決定的な証拠が手に入ったのですが、私はそれは勝負どころ(証人尋問)で出すことに決めていたので、その時まで出しませんでした。
裁判官は若い女性で、内容証明のやりとりなどから、私の言っていることが正しいと感じていたようですが、決定的な証拠ではないので、何度か和解を勧めてくれたのですが、相手側が応じず、最後の証人尋問まで進みました。
そして証人尋問の時、突然その決定的な書証を提出したので、相手はしどろもどろとなり、尋問が終わると、裁判官は「今回は裁判官の職権で和解とする」結論を出しました。後日和解の交渉がありましたが、私に非常に有利な条件で和解しました。
その数年後、また同じような裁判があり、その時も本人訴訟をしたのですが、この時の裁判官は若い男性で、被告側の弁護士と顔見知りみたいで、法廷で被告の弁護士と「あの件はどうしますか?」などと言って、雑談を始めたりするほどでした。もう、お前には絶対勝たせないぞ、ということを、私に分からせるつもりだったのでしょう。
傍聴人などいない法廷なので、裁判官が好き勝手にやっていました。私は決定的な証拠を持っていたのですが、これを出しても勝つことはないだろうと思い、勝負どころは高等裁判所だと決め、出さないまま結審して、当然敗訴で控訴しました。判決文も出鱈目なひどいものでした。
控訴審では、決定的な証拠(会話の録音テープ)がある事を控訴状にも書いてあり、その録音テープは相手側の了承を取った上で録音したので、相手側もその内容を知っており、これを出されると、勝ち目はないと思ったようでした。
高等裁判所の裁判官は地方裁判所の裁判官の判決文があまりにひどいので、「これが表沙汰になるとまずい」と思ったのか、第1回の口頭弁論で、「和解にしなさい」と言って、審議は行わず、私に非常に有利な和解条件が提示され、和解することになりました。
私は裁判など全く何の知識も持っていませんでした。ただこれもラグビーのゲームと同じで、自分が使える材料、相手側が持っている材料など、色々考えながら、相手の戦略はどのようなものか、それに対する私の戦略はどのようにすべきか、勝負どころはどこにするか、など色々シミュレーションを重ねて、「既に起こった未来」と言うべき、事実を作り上げていっただけです。
裁判に勝ったのはラグビーとルディのおかげです。
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